湯守からの手紙                                                    かんわきゅうだい

閑話休題
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“クワガタ”のお礼状
昨年の夏のことになりますが──。一通のお礼状が届きました。その一週間ほど前にお泊りいただいた東京都K市にお住まいのS.J.様から、“クワガタ”を差し上げたお礼のハガキでした。塩の湯は県道から1.2qほど奥に入った温泉場で、昔から静養・保養の地として親しまれてきた歴史があります。ここ塩の湯には、ありがたいことに今も豊かな自然が残されています。
春──。気温の上昇に伴って、塩の湯の空中には多くの生きものが飛びはじめま
す。夏ともなれば、それは賑やかです。いろんな昆虫たちも、旅館の外灯を目指して飛んできます。子どもたちが大好きな「クワガタ」虫や「カブト」虫も、もちろんやってきます。自然界のなかで、虫を見かける機会が少なくなった都会の子どもたちへの、情操教育のささやかなお手伝いでもできれば、との思いから、飛んできたクワガタをご希望のお客様へ差し上げるようになって、もう何年が経つでしょうか。時折、こうしたお礼状を頂戴することがあります。

夏になるといろんな昆虫が飛んできます
これはカブト虫
「おかげさまで、東京では珍しいクワガタをみて 子供達(保育園)は、大騒ぎをしています。本当にありがとうございました。」と、お礼状に。クワガタを手にして、興味深そうに見つめる子どもたち三人が写った写真も添えてありました。
日光国立公園の中に位置する“塩の湯”。残されている豊かな自然は、そこに暮らす人間が自由にできるものではなく、花たちも昆虫たちも鳥たちも、ありとあらゆる生きものの一切が、互いに支え合う関係の中で“生命のシンフォニー”を奏でています。散歩していただく塩の湯の小道に、ゴミ一つ落ちていない環境づくりから、豊かな自然を残す活動の一歩が始まっていくものと日々考えています。      (2001.3.28記)

        シリーズ (2)  ムササビ夜話


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