| Update:2006.4.10 | Yado‐Nikki |
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モーツァルトの曲が流れる秘湯の宿(4月2日泊)
─────────────────────── 矢板から県道56号線を八方ヶ原方面へ――。一昨日までは冬期閉鎖していたこの道沿いにも、ようやく早春の息吹きを感じられるようになった。春はたしかにすぐそこまで来ていた。さすがに、学校平付近の山頂部の日陰には雪が少し残っていたが…。
道を下りスッカン沢地区を過ぎて、塩の湯方面へ。やがて道は逆ト字路に出た。直進すれば塩の湯だが、ここを左折。大沼から菜園天斗の奥塩原付近を走った。菜園天斗周辺の残雪はほとんど消え、春の土壌作りがはじまりだした。 国道400号線を右折し温泉街へ。源三窟前の公営駐車場には車がぎっしり止まっていた。渓流釣りがちょうど今日解禁になったことをやがて知った。箒川には釣り人がたくさん出ていた。昨夜から野宿していた人もいたようだ。 福渡の塩原ビジターセンターで最新の観光情報を入手して、柏屋旅館には夕方4時頃着いた。 ![]() 翌朝は春の嵐、大風の一日になった 雲は早く流れ、一瞬、 対岸の松林の上の雲間から日が差し込んだ 2006/04/03 07:22 新館の客室4階の廊下にはモーツァルトの曲が流れていた。部屋に入ってカーテンを開けると、対岸の松林にはうっすらと霧がかかっていた。つい先ほどからパラツキ出した雨のせいらしい。昨秋積もった枯葉を雨はしっとり濡らし、鮮やかな茶色に変えていく。川下の谷間から霧が立ち上った。恵みの雨だろう。
清流は瑠璃(るり)色に澄み、川底からは勇壮な沢音が這い上がってくる。ここは明治期から続く塩原温泉発祥の秘湯の地、文人墨客に愛され続けてきたリゾ−ト地だ。「子宝に恵まれる」など、名湯 塩の湯温泉の効能はたくさんあるよう。 午後4時30分、まずは地階の館内風呂へ。塩の湯温泉をたん能するには、今が一番いい季節かもしれない。青竹から注がれる名湯はちょうどいい湯加減だった。湯口から出る温泉をなめてみる。いろんな成分が混じった塩の味がした。入るたびになめて確認するのが習慣になった。 風呂から上がると、しばらくパソコンに向かい電話回線でネットに接続した。やがて夕食の準備ができた旨、フロントから連絡があり、地階の会食場へ向った。山家料理が並んでいた。舞茸入り土瓶蒸しは固定ファンも多いそう。国産和牛の陶板焼き、この肉はとても柔らくて評判も上々のようだ。一日のドライブ疲れも手伝って、ビールはほどよく回ってきた。 ![]() らいていの湯からの眺めは絶景 四季折々の情趣が楽しめる 明治期から愛でられてきた鹿股川の塩の湯風景だ 2006/04/03 09:16 翌朝3日はゆっくり起きた。春の山の天候は変わりやすいとはいえ、この日、風は強かった。春の嵐だった。風が対岸の松や木々を揺すっていた。頭上の細長い谷間の空の雲は、勢いよく矢板方面へ流れていく。雲間から日の光がのぞいた。 朝食から戻って戸外に目をやると、勢いのある光のなかに風花が舞っていた。チェックアウト前に野天風呂に浸かろうと一階へ。フロントでたずねると、運良く「らいていの湯」が空いていた。鍵を借り地階へ降りて、野天風呂への小道をいそいだ。 久しぶりのらいていの湯だった。かけ流しの天然温泉は、湯量豊かに湯舟に流れ込んでいた。時折、雲間から日の光りが差し込んだ。力強い光りだった。湯温はいい具合だった。それは春の訪れを感じる至福のひとときだった。(2006.4.2泊) 宿日記「ある日の『柏屋』湯ゆー湯ゆー気分」 |