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ある日の「柏屋」
湯ゆー湯ゆー気分!

-宿日記- 
ミニ・バージョン


「雄飛の滝線歩道」を楽しむ晩夏の一日(8月26日泊)
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 矢板インターチェンジを降りると、八方ヶ原方面を目指した。八方ヶ原にはひと足早く、初秋の風が吹いていた。県道56号線を塩の湯方面へ。しばらく走ると、パノラミックな景観のスッカン沢に出る。ここは紅葉のおすすめスポットの一つでもある。
 道を降ると、左手に雄飛橋駐車場があった。車を停める。今年6月に開通した「雄飛の滝線歩道」。その真新しい看板に、滝の詳しい情報が載っていた。ここから「雄飛の滝」まで25分余りの道のりだ。
 ゆっくり歩き出す。行く先々を赤トンボが道案内してくれる。鹿股川の沢音を右耳に、緩やかなくだり坂を降りていく。やがて右手の岩壁に「素簾(それん)の滝」の白く細い流れを目にすることができた。そして川底には「舞姫滝」(「仁三郎の滝」)が水量豊かな轟音とともに現れた。吊橋の上からシャッターを切る。見応えのある滝だ。

滝壺前の大岩を舞台に見立てて、姫(滝)が舞う
──舞姫滝の名前の由来である
2004/08/26 11:42

 その先には「雄飛の滝」の新しい観望台があった。かつて塩原滝めぐりのクライマックスであった雄飛の滝。以前の観望台は川底近くにあったらしく、滝の勇壮な姿がよく見えたらしい。しかし残念だが、新しい観望台からは滝の姿はよく見えない。
 滝の名前の由来は一説には、岩に囲まれた薄暗い場所に差す一条の光りのように見え、夕日が暮れるのも忘れるくらい美しいと言われたことから、とか。雄飛の滝はよく見えなかったが、観望台からは対岸の絶壁から流れ落ちる「素簾の滝」がよく見えた。天候のよい日中には美しい虹を見ることもできる。
 さらに5分ほど行くと、川底にスッカン橋がかかっていた。降りる途中では、うまい沢水を飲むこともできた。 橋を渡り切った向こう岸の袂(たもと)にカツラの大木が立っていた。幹周りが6、7メートルもあろうか。樹齢は不明だが、塩原にゆかりの深い奥 蘭田(おくらんでん)が明治23年に塩原を紹介した「塩渓紀勝(えんけいきしょう)」の中で“大蛇のようなカツラの大木”と触れていると言う。

まるでスッカン沢を見張っているかのように
幽玄な雰囲気を漂わせるカツラの大木
奥 蘭田は当時、この木に何を感じたのだろう
2004/08/26 12:31

 その近くには柱状節理によってできた「薙刀(なぎなた)岩」を見ることができる。ほんとうに見事な薙刀の形をしていた。またその先には、咆哮霹靂(ほうこうへきれき)の滝や雷ていの滝があるが、時間がなかったので次回歩くことにした。
 駐車場に戻り、塩の湯へ向かった。塩原町内の観光名所を二三見物し、夕刻、柏屋旅館に着いた。さあ、待ちに待った露天風呂へ──。フロントで尋ねると「桐の湯」が空いていた。鍵を借りて地階へ。赤い鉄製の階段を降りる。鄙(ひな)びたしぶい雰囲気が何ともリラックスさせてくれる。ひょうたん型の湯舟で時間を気にせずに寛いだ。
 湯から上がると、まもなく部屋に山家料理が運ばれてきた。滝めぐりの適度な疲れと野天風呂入浴後の爽快感で、冷えたビールがことのほか旨かった。

秋の気配を漂わせる雷ていの湯 木の葉が舞い降りる
野天風呂情緒が味わえるのももうじき
2004/08/27 06:23

 翌朝、今度は「雷ていの湯」へ向かった。まるで鹿股川の突端に出っ張るように作られた野天風呂だ。上流の川景色は奥行きがあって、ここからの眺めは絶景と呼べそう。晩夏から初秋へ─。季節の移ろいを感じる涼しい川風が、私のほてった頬をなでていく。四季折々の野天風呂入浴の贅が、この湯舟には確かにあると思った。(2004.8.26泊) 

宿日記「ある日の『柏屋』湯ゆー湯ゆー気分」

撮影機材:Nikon COOLPIX5700,5000 ワイドコンバーター使用

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